どうしてその仕事してるの

日日是好日のどうしてその仕事してるののレビュー・感想・評価

日日是好日(2018年製作の映画)
3.8
主人公は典子。物語開始時点では大学生。
典子は従妹の美智子と一緒に、武田のおばさんの茶道教室に通うことになる。

典子と茶道の関係を淡々と美しく描く本作。
そのベースの周りで典子のキャリアも描かれる。

編集者になるという目標を持つ典子。
大学を出る時にその就活はままならず、アルバイトという形で編集の世界に入り、やがて世の中の仕組みの変化の中で生まれた「フリーライター」というものになっていく。

その間恋人が居たり居なかったり、
実家を出て独立したり、家族の関係が変化したりしつつ、
茶道は常に典子の傍らにある。

一方で絵にかいたような(そして今や少し古典的になってしまった)理想的な人生(卒業→腰掛就職→エリートとの見合い結婚→出産)を歩む従妹美智子の様子も折々に描かれる。
このエピソードの挿入は、典子と対比させ、
典子の焦燥・不安・不満を分かりやすくさせながら
典子の得ているステレオタイプではなくとも大切な何かを浮かび上がらせる。


私には、
典子が茶道や武田先生と触れることは
キャリアコンサルティングを受けているのとよく似ているように見えた。

自分をしっかりと見つめ、向かい合い、受け止める作業という点で。