ゆのまる

レイニーデイ・イン・ニューヨークのゆのまるのレビュー・感想・評価

3.0
ラストは「おいおい……」って感じでしたが、久々にウディ・アレンワールドを堪能。やっぱり育った環境が近い同士の方がうまくいくんですかね。降り注ぐ雨のようなセリフの応酬が心地いいです。

ティモシー・シャラメは初見でしたが、自己愛が強く「風変わり」と評されるほどの頭の良さを持て余したモラトリアム青年がハマり役でした。すっと通った鼻筋に下がり眉、なんて芸術的な顔立ちなんでしょう。
長年の確執があった母との対話シーンはよかったです。「母」になる前の生き方、そして何を思って息子たちに英才教育を施してきたのか。それを踏まえ、ギャツビーが自分の道を見つけられるといいですね。

エル・ファニングの笑顔は確かにキュートだけど、後先考えずに行動してしまうところが少しどころかかなり残念。まあしかし、そんな彼女を必要とする男たちはいると思うので、収まるところに収まったというべきでしょうか(映画界って本当にあんなかんじなのかな……)。

ずっと雨が降っている今作だけど、前半の空がやけに明るいのが気になりました。ニューヨークには詳しくないのですが、霧がたちこめ、酸いも甘いも飲み込んだ街、が実際のところなんでしょうか。

90分でさくっと観られる作品でした。
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