ガンビー教授

ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷のガンビー教授のレビュー・感想・評価

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生真面目であることは分かるのだが、生真面目さからホラーの突出した個性は生まれないな、と思った。せっかく様々なアイデアに基づいてギミックを仕込める、素晴らしい舞台を手にしているにも関わらず、その舞台装置を活かせているようにもあまり見えない。これは、映画作りにおけるどの段階での練り込み不足によるものなのだろう。

洋館という場所を活かしながら撮るという意味では、最近見たジュラシックワールド2における後半の、それほど長いわけではないシークエンスのほうが、まだ一日の長があったし、映画というメディアにおける空間へのフェティシズムみたいなものを感じさせた気がする。


やはりホラー映画としてあまり怖くないというところに僕の不満は集約される。こういう特殊な場所や存在にまつわるホラーの場合、割とすべてが常識的な理解の範疇に収まってしまうようなストーリーテリングであればあるほど、その問題の現場から遠い日常的な空間で暮らしている我々は怖さを感じにくいものだと思う。
ガンビー教授

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