てるる

ゲティ家の身代金のてるるのレビュー・感想・評価

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)
3.5
これは実話を基にしたフィクションですって出てくるあたり、かなり脚色してるかも?

この事件にインスパイアされたのが「man on fire」という小説であり、それを映画化したのがデンゼル・ワシントン主演の「マイボディガード」。

ただ、マイ・ボディガードのデンゼル・ワシントンがゴリゴリに犯人達を追い詰めていくのに対し、この映画ではとにかく受身。

そのせいか、お母さんや弁護士のマーク・ウォルバーグがそんなに活躍してる感じがなくて、かなり淡々と話が進んでいく。
予告ではお母さんがどんどんJ.P.ゲティや犯人達に攻勢を仕掛ける感じだったので残念。
せめてメルギブの「身代金」くらい誘拐された側の逆転劇みたいな展開が欲しかった。

実話だから仕方ないのかもだけど、わざわざフィクションですって断りを入れてくるなら、もう少し映画としての盛り上がりが欲しかった。

そして元々ケヴィン・スペイシーが特殊メイクで演じていたゲティ役を、例のMe too騒動で急遽クリストファー・プラマーが代役。
役1ヶ月でスペイシーが演じていたシーンを撮り直したらしいけど、結果的にクリストファーで良かったなと思えるくらいの名演技。

更には主演のミシェル・ウィリアムズが1000ドル程度のギャラに対し、マーク・ウォールバーグが150万ドルを得ていたことも批判されて結局マークは150万ドルをMe tooの団体に寄付するという騒動も起こったという。

奇しくも実在の誘拐事件を基にした映画というジャンルでいえば、弟であるトニー・スコットが監督した「マイ・ボディガード」に軍配が上がってしまうかな。
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