ひば

プーと大人になった僕のひばのレビュー・感想・評価

プーと大人になった僕(2018年製作の映画)
3.9
「もう時間がない」
これ、誰の言葉だと思う?なんとクリストファーロビンの娘から出てくるんです。私はこの言葉に一番心を抉られた。
子供にとっては悠久にすら感じる終わることない時間の流れ、あのときは永遠だと思ってた、子供だけの特権だったとそう振り返るくらい特別なもの。なのに小さな娘は父と死別するわけでもないのに、戻ることない時間に危機感を覚え時間に追われている。こんな悲しいことがありますか。
今の時代って先の道をつくることしか考えてなくて、足元の道がガタガタなことに気付いていない。この先、生き易くなると言われても今目の前に永遠と広がっているガタガタの道を見ると大人だって辟易するのに子供に押し付けるのは間違ってるよね?でも子供にはそれが良いと信じているんだから不思議なものだよね。大人と子供の間にだけ線が見える人と見えない人がいる。線が見える人は大人と子供を差別化する人。責任と偏見をごっちゃにしている人。だから"なにもしない"ってすごく良いと思う。なんもしない、全部放っておく。全部の蓋を開けておく。そしたらみんな行き着く場所に自然と帰っていく。私も、貴方も、自分の足でね。
私は、"家族とは一番近くにいる他人である"と思っている。貴方は私ではないし私は貴方ではない、だから貴方の人生は私のものでもないし私の人生も貴方のものではない。なので我慢ならないときは言いたいことを言うし、嫌なものは嫌だと言ってくれていい。物事が悪くなるなんて思わないでいい、先のことなんてわからないのだから。他人の人生の良し悪しに気を遣う必要などない、どうせわからないのだから。だけど貴方には敬意を払おう、私とは全く違う人生を年数分重ねて生きてきた全く違う存在なのだから。そして私は私の人生を生きるのだ、と自分に言い聞かせる最大限の言葉だと思っている。プーと同じ考えや生活を持てなくても、プーを尊重することで寄り添うことはできる。プーだけでなく妻や娘とも。

ずーっと胸がずきずきと居心地悪く彩度の低さでさえ私を傷つけてくる…自分の過去から今にかけての全範囲全方向の思い出に向けて謝罪をしたくなる映画だった…うぅ…みんな…申し訳ねえ…

最初プ(レデタ)ー見たら森で大殺戮パーティーしてて次にプー見たら森でほわほわお茶会パーティーしてて頭こんがらがったけどユアンマクレガーが暴れだしたから森は人をおかしくするんだよ…
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