いかえもん

プーと大人になった僕のいかえもんのレビュー・感想・評価

プーと大人になった僕(2018年製作の映画)
3.7
くまのプーさん。私が子供の頃、何度も読んだ絵本の一つ。うさぎの穴ではちみつ食べ過ぎて出られなくなったプーさんをみんなで引っ張り出したら、飛んで行って木の上のはちみついっぱいの穴にまた入っちゃったというお話だった。

正直言って、この手の映画には若干の抵抗感があって、斜めから見てしまうし、ユアンが出てるしっていう動機だけで観たんだけど、やられてしまった。
多分その子供の頃の絵本の影響だと思うんだけど、大人になってからもディズニーのキャラクターの中でプーさんだけは別格で好きだった。だけど、なんかプーさんブームが来てしまってからはちょっと離れてしまっていた。それに、あるとき、プーさんだけは好きなんだと言ったら、「へぇ~」っというすごく意外そうな反応をされてしまってから、なんだか恥ずかしくなってしまって、ちょっと自分の中で封印してしまってた。私もまたクリストファー・ロビンと同じく、プーさんを忘れてしまっていた。だけど、どこかで見かけるとつい目が行くキャラクターだった。だから、動くプーさんが登場した時点で、波のようにプーさん大好きだった自分が出てきてしまって、一気に子供の頃へ連れ戻された感じで、へら~と笑ってしまいました。

ストーリーは、いかにもディズニーな感じの仕事、仕事のお父さんが家族との絆とか本当に大事なことに気が付くっていうお話。

プーさんがクリストファーロビンに友達じゃない!って言われて悲しそうな顔するところに、じわ~ってきたり、プーさんの「赤い風船は必要じゃないけど欲しい」とか、ピグレットがマデリンに言う「ウィンブルドン優勝おめでとう」とか、なんか100エーカーの森のみんなのセリフがたまらなくいいです。これはやっぱ原作がいいからなんだろうな。

この映画のテーマである「何もしないことが最高の幸せにつながる」というのは、性根の腐りきった私にはあんまりグッとはきませんでしたが、自分も毎日今日は何をして遊ぼうと思っていた子供の頃が懐かしく、そういうノスタルジーに浸ることができてよかった。私の中にいたプーさんもまた息を吹き返したような気がします。
プーさんというのは、クリストファー・ロビンの空想の産物なのだろうけど、大人になろうが、誰が何と言おうが、それを自分が大切に思うっていうことは、つまり自分自身を大切にすることなんだろうなと思う。

ユアン目当てだったけど、プーさんにばっかり目が行っちゃって、ユアンほとんど見てなかった…ごめん(笑)。