rmhチョコがけ

暁に祈れのrmhチョコがけのレビュー・感想・評価

暁に祈れ(2017年製作の映画)
3.8
面白かった。
イギリス人ボクサーのビリーがタイで麻薬保持とボクシング賭博⁈(これあの描写だけじゃ分かりにくい)により、タイの刑務所に収監され、さあそこでどう生き抜くか、という話。

イギリスが描くタイの刑務所や人々、少しだけだが街中や市井の人々の様子などが興味深い。
そうだよね、私もタイのイメージってこんななんだよ。
タイBLドラマで描かれる世界はほんのひと握りの人々の様子なんじゃないかって思う。

とにかく喧嘩っ早く、脳みそが足りないビリー。言葉も通じず、見た目も自分だけ異色という状況で、どうやって生き抜くのか⁈というところが見どころ。
言語での意思疎通が少ないため、言語情報は極力少ない。音的に静かではないが、基本"無言"な作品である。

刑務所のリアルを知り恐れおののき、ムエタイに出会い挑戦していくも、複数の障壁が立ちはだかる。
一体ビリーを救うものは何か⁈とずっと観ていたんだが…
ムショ内に来るレディボーイの存在でもなく、仏教の存在でもない。
ましてやムショ内でもたまに手を出してしまう麻薬は彼を逆方向に引きずり下ろそうとする。
結局、"自分自身と向き合うこと"だったんじゃないかな。
今まで出来なかった反省や謝罪が出来るようになる描写もあり、極限状況になったときに信じられるのは、やはり己のみだとビリーは気付いたのかもしれない。

ラスト、良かったな〜…
あれがあれなのも‼︎とても良い表情だった‼︎

実際の刑務所を使った撮影など、タイのリアルも垣間見えて、面白かった。