非常に詩的な内容に主題、タイトル、情景描写にカメラワーク、そして役者陣の演技で、素晴らしい作品だった。
それにしても「畜産×ゲイ」というのは、もはや方程式なのだろうか…?
今作も、自分たちの幸せを探して「本当に遠いところ」を目指すゲイカップルが、生業として選ぶのが畜産業なんだよね…
まあそれはいいとして、話としては同性愛者への偏見の中、当事者がどう生きるべきかだけでなく、そこへいくつかの問題要素を絡めて描いているのが面白かった。
結局人間、“欲”を捨てきれない、弱い生き物なんだなぁ…と改めて気付かされる。
追い詰められると、何とかして自分でない何かに原因を押し付けようとする私たち人間。主人公のそんな姿に、それを感じた。
主人公と恋人の関係が最初から非常に仲睦まじく描かれている分、このシーンはショックで思わず息を呑んでしまった。
主人公の恋人の、食堂での背中の演技も素晴らしかったな。
引きのショットで長回し多めなのもまたかなり良い味出してて素晴らしい。
地味だがとんでもない秀作に出会えて嬉しかった。