みんと

できごとのみんとのレビュー・感想・評価

できごと(1967年製作の映画)
3.7
ある意味ジャケ詐欺的なレビューを目にしてたけど、やっぱり素敵ジャケに釣られて鑑賞。

ジョセフ・ロージー監督ダーク・ボガード主演作。次いでに脚本はハロルド・ピンターと、『召使』コンビだけに今作もブルッとする作品だった。

地位も収入も安定していて妻は三人目を妊娠中のオジサンが突然の衝動を抑えきれなくなる…
男性の中の一面を極端に肥大化させ、英国上流社会の男性像を容赦なく風刺を効かせて描いていく。

面白おかしく描いてるとは言えダーク・ボガードならではの気持ち悪さが素晴らしい。ねっとりと女子学生を見る目のいやらしいこと。二言目には「僕は、もう歳だから」と予防線を張り、体力の衰えを主張するオジサンの下心は見え見え。
加えて同僚の教授もなかなかの気持ち悪さなものだから、真剣交際を考える恋人学生の純粋さが爽やかで、眩しくて!

冒頭の出来事の掴み、そして同じ演出による着地。音だけで想像させる演出が巧い。
解釈を委ねられるラストも好印象。
ただ、サスペンスかと言われるとそうでもなくて…


それにしてもダーク・ボガードはこの手の気持ち悪い役を演じさせたら右に出る者がいない!と思う。笑
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