小ムズイだけ。人生哲学を何ら含まず、常に発情してる。少々みっともない映画。
「パラレル」「デジャヴュ」「ドッペルゲンガー」とかの単語パワーと美しい街路と響きよい音楽があればモダンを描ける、と作り手は勘違いしてる。
それらはミレニアム頃の流行語。最も新しそうに聞こえる「世界線」にしたって既に十年ぐらい旧（ふる）い。
ドッペルには偏頭痛、パラレルにはリサ・ランドールとＣＥＲＮ、異常気象にはケムやクライメートゲートなどをちょこっとでも添えていけば何とかなったかもだけど、そういう正確な知識もなく「ＮＡＳＡ」「ＮＡＳＡ」ばかりをコドモみたく連呼してる。バツグンに面白ければ幼稚でも荒唐無稽でもいいんだけど、ほとんど面白くない。お洒落でもない。
しつこいエラー表現のループはともかくとして、そもそも主演女優の魅力が足りてない。学食ダンスはいちおう覚えとくけどね。
終盤の外人ぞろぞろもヘンテコで効力なく、強引に爽やかにしてるラストの走りは気恥ずかしい。各人の演技力はまあまあだった。
バードを主役にした方がいくらかマシに？
