まりぃくりすてぃ

Cosmetic DNAのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

Cosmetic DNA(2020年製作の映画)
4.5
2020年代の日本の実写映画としては物足りる出来! 編集センスが突出してる。。

男が全員クズ、女たちが連帯して「男社会ノン。男全員死ね」に行き着く。
これ書いて監督したのは男性。義憤からの本気か、オスとしての自傷遊びや、からかいか、フェミを商業利用しようと企んだのか、それはわからない。
仮に野本梢や川崎僚やイリエナナコといった意欲的な女性監督が創ったとしても、このラディカルな二項対立に「何怒ってんの?」と文句つける鑑賞者は一定数いるだろう。けど、少なくとも紅白歌合戦の “赤勝て白勝て” よりは意味と価値ありそう。
「レイプすんの? 犯罪ですよ」とクズを諌めていた男もまた、やがてクズ堕ちする。単に最初から全員クズなのではなく。構成力の意外な確かさが、その吉田の役回りで示された。新たな第二の吉田まで小さくも用意されている。

エキストラを雇う資金や時間がなかったりして、編集・編集で乗り切ったのは、結果的には全然、吉。
ただ、途中の、男の○液をコスメ化して女性三人が街を “美しく” 闊歩する場面のためにだけは、ちゃんとプロのメイクアップアーティストを一日雇うべきだった。ティントだけでなく、いろんなとこに赤い影加えて赤で彫って三人とももっと必然性ある美しさの赤メイク💖(FDや眉まで?)…っていう映像表現ができてたら。ここ惜しい。

この物語が、「テロ」なのか、頑張っても「一揆 (鎮圧される反乱)」止まりなのか、「革命」に入り込めてるのか、を見極める私。ぎり、「革命」を含んでるみたい。だから全体像として気に入った。
とはいえ、「私たち」という言葉を鍵にした全女性的連帯エンドは、ツッコミどころ。
現実の世にうじゃうじゃいるバカな女や性悪な女に、私はつながりたくないもんね。(例えば女性政治家のほとんどは、バカすぎる。与党はもちろん、多くの野党も。)
女の生きづらさは2020年代現在、あるかないかと問われれば絶対にあるけど、真に社会や世界を良くしていきたくて努めてる人とは、性別関係なく私は魂で惹き合える。
フランスを守るためにイチ人間として立ち上がったジャンヌ・ダルクに大勢の男性がついていった、という歴史があった。

小野洋子に “教育” されたジョン・レノンが女性解放のために本気で作った『女は世界の奴隷か』を、小柳ゆきが男性奏者たちに全力サポートされながら渾身の熱唱。そんなこともかつてあった。魂がつながった時、革命が始まる。
革命はとっくに始まっているのかもしれない。善き赤と善き白が結び合って赤も白もピンクも克て!

https://youtu.be/OBdvtH9J4DM