猫とフェレットと暮らす人

(r)adius ラディウスの猫とフェレットと暮らす人のネタバレレビュー・内容・結末

(r)adius ラディウス(2017年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

「世にも奇妙な物語」が好きなら楽しめるサスペンス・スリラーな映画です。
海外のドラマだと「トワイライトゾーン」のような感じ。

どうなってる?そして、どうなる?が気持よく楽しめました。

主人公に向って車運転してきてたのに、運転手が死んでる。カラスが突然死んだ状態で降ってくる。
主人公が原因がわからず、服の袖をちぎってマスクにする。

ここで、タイトルロゴ。素晴らしい間です。

勝手に周りが死んじゃうけど、何が起こってるのかわからない感じの表現、不気味な演出が素晴らしく、すぐに、どうなっていくのか興味がそそられました。
つかみは完璧です。

次に訪ねてきた女性が近づいても死なない。わんこも死なない。なんで?近づいたら死んじゃうじゃなかったの?
てか、この女性は誰?

そして、この女性との距離が一定以内であれば周りは死ぬことがないのをヤギで検証するのですが、検証するまでも、駆け引きがあり、ハラハラさせてくれます。

ハラハラといえば病院で警官から逃げる時にエレベーターで、主人公は乗れるが、女性が乗り遅れて、かつ、エレベーター内に人はいてるし、女性と離れたら駄目だし。
どうなるかハラハラです。

印刷工場で大勢の警官に囲まれて、主人公と女性は手錠をはめられて引き離され、ついに2人は一定の距離から離れさせられます。すると、周りの警官とそれを見ている野次馬が一斉に死んでしまいます。
この時、主人公はとても悔やみます。
これは、なかなか、新しい感覚でした。

普段見ている映画では、警官から逃げたければ、警官を倒します。銃で殺してしまうとかよくあるシーンで、積極的に殺してしまいますが、この主人公は、殺してしまいたくないという感情です。

警官に捕まりなくないのも、殺したくないというのが理由で、ただ、まずは自分に起きてる事を解明したくて殺したくないのに、殺してしまうことで逃げて解明する手段を得るという。説明がややこしい。

普通の映画 : 逃げたい → 《殺す》 → 逃げれる
この映画 : 逃げたい →《 殺したくないけど殺しちゃう》→逃げれる

これは、新しい表現だと思いました。

終盤も飽きさせない。
隠れるために主人公の森の奥の別荘に着く。
そこの暖炉に隠されてたのは、女性の姉やその他行方不明者の情報。主人公はそれらを殺害してた連続殺人鬼でした。って、えええ!そんな展開?
さっきまで殺す事めっちゃ後悔してたやん。ええ人の感じやったやん。
この変な能力を身につける前とは、真逆やん!
怖ぁ。そんで、女性にバレてるやん。

そら、女性はブチギレやな。てか、女性も記憶なくしてからええ人って思ってたから複雑。

でもって記憶の断片が繋がって、雷に撃たれて、こんな能力になってもうたんやね。
って、まぁ、そもそも、科学的にどうこうとか求めてないので、「あり」ということで。これを説得できるくらいの科学的な事なんか無いだろうし、ある感じで描いてもどうせ突っ込まれるだけなので、そこはファンタジーでいいんです。
てか、殺人鬼やったって事がびっくりで。

って思ってたら。なんか強盗みたいなんに襲われたやん。まだ、なんかあるん?殺人鬼ってので結構お腹いっぱいなんだが。うわぁ、強盗に女性が銃で撃たれてもうたやん。

病院いくのね。よかった、助かるかなぁ。
病院着いて、女性は担架で運ばれて、間に合ったのねぇ。
って?え?どうした主人公?
なんで病室まで着いて行けへんの?
立ったままなにしてるん?
いや、ついて行かな、一定距離離れたら看護師さん死んでしまうよ。

お前(主人公 = 殺人鬼)が死ぬんかーい!

おしまい。

映像はトレンドの色味で美しい。カナダの映画なのでカナダでの撮影でしょうかね。森の緑が何とも言えないくらい美しく色味を調整(カラーグレーディング)されてます。
背景のボケ感も光の表現も美しいのでのめり込むことができます。
潤沢な予算で作られてる訳ではないでしょうが、自然豊かなロケーションに恵まれておりとてもいい空気感が表現されておりました。撮影とかうまいなぁって思いました。