れもん

千と千尋の神隠しのれもんのレビュー・感想・評価

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)
5.0
ジブリ制作の劇場長編アニメーション映画コンプリートのため、2001年公開の11作目『千と千尋の神隠し』を鑑賞。
今までに何度か鑑賞したことがあるが、何度鑑賞してもまあ面白い。

今作も『もののけ姫』と同じく日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞している。
アニメーション作品として最優秀作品賞を受賞したのは現時点ではこの2作品だけで、2007年以降は最優秀アニメーション作品賞が設立されて実質的にアニメーション作品が最優秀作品賞を獲得する可能性はほぼ無くなったため、恐らくこの先も『もののけ姫』と『千と千尋の神隠し』は歴代最優秀作品賞獲得作品の中では異質な作品として名を残していくのだろうと思う。

この2作品、確かにどちらも素晴らしいが、個人的にキャラクターに好感が持てるのはこちらのほうだったかな。
千尋は宮崎駿監督作品のヒロインにありがちな「男の理想を具現化した少女臭」がせず、それでいて応援したくなるような一生懸命さや純粋さもある良い主人公だったし、ハクはアシタカみたいに浮気者じゃないし。
(私はアシタカがカヤにもらった小刀をサンにあげたことを根に持っている)
釜爺は上司にしたいし、リンは友達になりたいし。

源氏名は千、在籍店は夜の風呂屋「油屋」。
敏腕スカウト・ハクに色恋管理されたり、新人好きの厄介客・カオナシに気に入られたり。
そんな『明日、私は誰かのカノジョ』的なダークな夜職物語としても観られそうな面白い設定だけど、このあたりの設定に対する解釈や考察はジブリマニアの方々が散々やり尽くしていることだろうから、時間のある時にゆっくり拝見してみようと思う。

ラストシーン、乗ってきた車には埃が溜まり、通ってきた道には草木が生い茂っていた。
千尋たち家族は「神隠し」に遭っていたのだし、もしかしたら数年間とか数十年間の時が流れてしまっているのかもしれないな、なんて考えたら、千尋が大変なのはむしろラストシーン以降なのかもしれない…

昔、親戚の女の子に教えてもらった豆知識。
千尋のお父さんは、ゲイの方々に大人気らしい。
(自分はゲイじゃないのになんとなく納得できる)

【2021.10.17.鑑賞】
【2021.10.18.レビュー投稿】
れもん

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