Yukenz

千と千尋の神隠しのYukenzのレビュー・感想・評価

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)
4.0
今更ながら20年以上も前の作品だということに驚く。かなり久しぶり、恐らく10年前くらいに見て以来だと思うが、胸の奥の方に引っ掛かっていた本作を、改めてしっかり見てみた。
この奇想天外なお伽話(と言っていいのか、大人が見てもすごく楽しめるが)を書き上げた宮崎駿の感性に大変感銘を受けた。

両親に甘えていた少女が何やら奇妙な世界に入り込んでしまい、自分が両親を助けるしかないと奮起してさまざまな難局を切り開いていく。そこには他者への思いやりや尊敬、感謝の念が詰まっていて、現代のダイバーシティと呼ばれる基本理念と同じように思われた。

全編を通して優しくも懐かしい画のタッチにすごく温かみを感じるし、ユニークなキャラクターにも親しみを覚える。

最後また実社会に戻っていく時に、久しぶりに両親に甘えながらも一本芯が通って逞しくなった千尋の姿が印象的だった。

ハクは千の守り神でもあり、千によって命を吹き返され自由の身となった白龍とも思えるが、果たして彼の真の正体は何だったのか。
千の摩訶不思議な冒険に加えて、ハクにまつわる謎がより一層本作への想いを高めてくる。愛らしいキャラたちを思い出しながら、きっとまたいつか本作を見たくなってしまうんだろう。
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