Eryyy678

千と千尋の神隠しのEryyy678のレビュー・感想・評価

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)
4.7
「千尋というのかい?贅沢な名だねぇ。
今からお前の名前は千だ。」

異世界に迷い込んだ10歳の少女″千尋〟
魔女の支配する湯屋で働き、神々を相手にする彼女は、あらゆる奇想天外な出来事に遭遇する。

幼少時、母親と観に行った映画です。その世界観に惹かれましたが、当時はお話の意味はよくわかっていませんでした。
大人になってからは、何回も観てしまいますね。不思議な魅力のある作品です。

″千〟が働く湯屋は、不思議がいっぱいだけれど、湯屋を取り巻く人物達にはあらゆる″むなしさ〟や″息苦しさ〟そして空虚な世界が内包されているように思う。

「あなたは来たところへ帰った方がいいよ。私がほしいものは、あなたにはぜったい出せない。」

欲望、怒り、哀しみ。あらゆる感情が交錯する中で、誰かを救いたいという千尋の優しさは、多くの者達に良い影響を与えたんだと思います。

そして少女は、魔女に支配された少年を救うため立ち向かう。
呼び起こされる記憶。彼の本当の名前。
この世界に来る前、少年に助けられた彼女は、その勇気と純真さで今度は少年を助けるのだ。

「またどこかで会える?」
「うん、きっと 」
「きっとよ」

訪れる別れ。背景に流れる音楽が切ない。
今は哀しいけれど、2人はきっとどこかで再会するんだと思う。
Eryyy678

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