渡邉ホマレ

スパイダーマン:スパイダーバースの渡邉ホマレのレビュー・感想・評価

4.8
ヌルヌル動く!
リアリティがある!
実在感がある!
カッコいい演出!
手間がかかっている!

……スゴイアニメを観てその感動を評価する際にこれまで使ってきた表現が、この作品ではまるで通用しない。

まったく別の角度からくる「スゴイ」を、本作では味わうことができた。
異次元からの攻撃を受けたような感覚。

「漫画のアニメ化」という言葉状の概念を覆すというか、「アニメ化」とはもしかすると、本来こういうことなのではないか?とさえ、鑑賞後は常識を覆された。

上映前に流れた「実写化」作品のどれもが、最早過去のものであったかのような新感覚。

それでいてテーマはまさに「運命を受け入れろ」。これは『スパイダーマン』というヒーローだからこそのテーマでもあり、ヒーローが普遍的に持つテーマでもあり、それを言えるのは「彼ら」だからこそでもあり…そして少年はヒーロー(大人)になるという成長のスイッチでもあり…。

「スパイダーマン」になること、「スパイダーマン」であること(=ヒーロー)が持つべき、呪い的側面をも俯瞰的に、メタ的に描き直した。

全てが理に適っていて、それでいて超フレッシュ。しかも他では真似できない。盤石!

ご鑑賞は是非IMAX 3Dで!