トムトム

響 -HIBIKI-のトムトムのレビュー・感想・評価

響 -HIBIKI-(2018年製作の映画)
3.5
原作未読。
主演の平手友梨奈の事はほぼ初見ながら雰囲気があり良かったです。

人気アイドルが主演であり主題歌も歌ってるとなればやはりアイドル映画としての評価軸も必要であると思います。
主演の平手友梨奈に魅力は感じましたが主役の響にはイマイチ魅力を感じませんでした。

世の中の欺瞞的な物への反抗は良いのですが「スカッとジャパン」的というか「帰れと言われたので帰りました」という中二感覚にイマイチ乗れず。
確かにアーティストやミュージシャンはこういう風にあって欲しいとは思うのですが。

強く自立した女性主人公という最近の映画の主流ではあるのですが可愛らしい女子高生という見かけで周りが手を出せないという風に見えてしまいました。
シャリーズ・セロンとまでは言いませんが一度は思い切りブン殴られるが折れないという展開はいったのではないでしょうか。
あと本を粗雑に扱うのは許せないのですが。

スポーツや音楽に比べて小説の凄さを映画で表現するのは難しいとは思いますが凄さを表すのに周囲の人間がとにかくスゲー、スゲーと驚くという料理漫画や音楽漫画的な手法があまりこちらに響かなかったです。

しかし生まれにも人生経験にも拠らないただ存在する巨大な才能に触れた周囲の凡人たちの苦悩や足掻き方は非常に良かった。

終わった芥川賞作家、無頼の天才を気取る凡人、小説に命をかける男、アヤカ・ウィルソン演じるリカ。
皆素晴らしかったと思います。
響をいっそ出さずに周囲の人間のストーリーを見ていたかったです。
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