ふう

億男のふうのレビュー・感想・評価

億男(2018年製作の映画)
3.8
フォロワーさんに「落語の『芝浜』を予習するといいですよ」と言われていたのに、後回しにした挙げ句、何の作品の予習かも忘れていたのですが…
しまった!この作品だったか…‼️

なので、無知&不勉強な状態での鑑賞となりました。情けない💦
とりあえず、レビューでは、知らない段階での感想をお話したいと思います。


まず、予告からの印象と全然違いました。
とってもいい意味で!
もっと、お金をめぐる騙し合い奪い合い疑い合いエンターテイメント!!って感じかと思っていましたが、濃すぎるキャストにも関わらず、意外にもお話は淡々と進んでいきます。

ストーリーやテーマは
・星の王子さま
・青い鳥
・銀河鉄道の夜
が近いかな。そんな感じ。
過激な欲望の世界のお話と見せかけて、これは主人公の一男が"星巡り"をするお話。
その中で"青い鳥"や"ほんとうのしあわせ"を探しながら、"王子さまの星に残したバラ"に思いを馳せる。
本当に、そんなお話なのです。

ね、ちょっと想像と違いません?
「キンキンに冷えてやがるっ……!」
「別に」
「成仏の時間だぜ!」
「拙者」
が集まって、こんな哲学的な、もしくは童話的な作品になるとは思いもよらなかったです(もちろん、役者さんのことは大好きです!)

お金ってなんだろう?
人間の価値ってどうやって決まるんだろう?
幸せってどこにあるんだろう?
そんな素朴な疑問を、たくさんの人たちの出会いの中でつかんでいくのですが、彼らに教訓的役割が与えられているのも童話的で面白いです。
ある意味でご都合主義的な展開も、これが童話だと思うとすっと入っていきます。

私はこの作品のことがすごく好き!!とは言えませんが、見てよかったし、こんなに気持ちがよくなるとは思っておらず、すごく気分がいいです。DVD買っちゃいました。

最後に。
作中何度も出てくる落語の「芝浜」
本作観賞後に探して見てみましたが、とっっっても面白い!そして、一男と九十九の輪郭がよりクリアになった気がします。
どんな芸術にも歴史があるから、古典は触れておかなくてと思いつつ、落語・能あたりはもう悲しくなるほど無知なので、今後は少しずつかじっていけたらいいな。


***

(2/20追記)
懺悔します。
北村一輝さんを「セクスィー部長」 と書きましたが、部長は沢村一樹さんでした。
私は今までこのお二人を完全に同一人物だと思っておりました。猛省!
北村一輝さんは『猫侍』や『今夜、ロマンス劇場で』や朝ドラ『スカーレット』の方ですね💦
以前もトム・フーパーとトビー・フーパーを書き間違えるなど、とんでもないことをやらかしております。
皆さまからのあたたかな赤ペン先生本当に助かっています。やっててよかった進研ゼミ!
ふう

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