細田守という男の趣味嗜好と子育て、
家族経験の実体験(であろう)を凝縮し、SFとも言えるしSFとも言えないミニマルな物語に語り直して見せた秀作。
序盤の展開で「あれ？もしかして思ってたジャンルと違う？？」と面食らったが気付けば普通に楽しんでいた。
ジャンルが非常に曖昧で、劇中で起こった事をSFとも捉えることが出来るしイマジナリーフレンドとも解釈する事が出来る絶妙な塩梅で(若干崩壊気味)成立している映画なので誰にでも勧められる作品ではない。
幼い男の子の声には聞こえなくないか…？と序盤は気になった主人公の声も慣れてくるので問題ない。卒なくハンサムボイスで声優もこなす福山さんには流石としか言えない。
思想や考えに違いはあれど、細田作品はこれからも「家族」という呪縛から逃れる事は出来ないのかもしれない。
しかし細田監督のケモショタに関する執念、情熱、執着には畏怖の念すら抱いてしまう。
