pomechan

未来のミライのpomechanのネタバレレビュー・内容・結末

未来のミライ(2018年製作の映画)
1.2

このレビューはネタバレを含みます

スコアでお察しの通り、「この作品問題あるだろ」と思って書いてる感想です。
とても感情的に思いの丈をぶつけた感想なので、ファンの方は読まないで欲しい。

「おおかみこども」は無理だった。
本作も突っ込み所は満載と思いつつも、おおかみこどもよりは抵抗感無かった。
合わないだろうなあという心構え込みで観たからなんだろうけど。。。

くんちゃんの両親・祖父母は「そこそこ」以下じゃないか?
親は完璧じゃなくてもいい、みたいなメッセージがあるとインタビューで読んだけど完璧じゃないっていうか毒親やんけ。
物語中で「親のこの行動にはこういうルーツが…」みたいなシーンがあったけど、いや、それでもだめだろ。
「くんちゃんクソガキすぎ!」という感想が結構あったけど、あの年齢であの親の接し方なら、あんなもんなのでは。

両親のくんちゃんの扱いの粗雑さもさることながら、祖父母もなかなかキマッてる。
くんちゃんの目前で「女の子は着せ替え甲斐があるわね〜」やら「くんちゃんはどいて!」のシーンは衝撃的。
お雛様周りの「男の子なんだから」「行き遅れちゃう」やらのワードセンスも凶悪。
男性視点の、男性の生き辛さみたいなのも描きたかったのかもしれんけど。
おおかみこどもで女性に対してあんだけ大暴れしたあとに、そっち視点にはハチャメチャに繊細じゃんお前、マジでハート強いな。

毒親の下に育った子供が成熟するのに、親の見てない異世界を介するというのは良いなと思った。
ただ、どうせなら樹木媒介とかじゃなくてくんちゃんの好きな「電車」とか、登場した「クレヨン・絵本」やらの要素スタートでトリップできたら良かったのに。
本人の好奇心とか想像力・創造力で毒親の下でも広くてあったかい世界にトリップできる。
とか、そういう路線だったら救いのあるストーリーだったのでは。
でもテーマとして「過去から未来へ連綿と続く絆」みたいなのを優先してて、あの樹がなんかの象徴なんですかね。
くんちゃん、可哀想に。
そんな絆いらねえ。

毒親に育てられて、親を許したいのに許せないまま自分も毒親になって、それでも自己肯定したくてもがいてる人の叙述した物語という印象を受けた。
毒の連鎖を「過去から未来に繋がっていく絆!」という文脈の中に、しれっと同列で織り込む怖さ。
親を許したいと思った時、「毒の部分」は許さないままで、存在だけを許してもいいのにな。
(というか、繰り返してしまう位なら別に許さなくてもいいんだけどな。)

くんちゃんの声はキャスティングした人が悪いのでは。
感情面の演技は悪くないのに、声質が年齢不相応なせいで「演技が下手」と取られるのが不憫。
その辺の技術のあるプロの声優を起用しない路線なら、本物の子どもを使った方が良かった。

それでもトータルで、「おおかみこども」よりは良かったです。
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