Hondaカット

15時17分、パリ行きのHondaカットのレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
3.2
64点。実際のテロ事件を俳優ではなく実際の当人たちに演じさせた映画。ドキュメントの再構築のような。イーストウッド監督は凄いことを考えるなと思ったし、もの凄いチャレンジだと思う。実際、当たり前だけど、芝居は下手で、実在感は凄い。リアルだからリアル。どう見ていいのか戸惑う。

言いたい事は分かる。ーこんな普通の人々の善意が世界を支えている。キリスト教もアメリカも、ひいては世界は、その普通の人々のおかげで偉大であるー…僕は、イーストウッド作品ではじめて、え、、それだけ??って思ってしまった。少なくともそう見えた。

『アメリカンスナイパー』の時にも書いたが、イーストウッドはその裏にある【怖さ・危うさ】を描こうとしている作家なのは間違いない。ようは「こんな馬鹿丸出しの軍人根性の市民が支えているアメリカ、危うくないか?」ってこと。しかし、今作は本人達に演じさせてるせいで、それが見えにくくなってる。観ていて嫌いになることができない。ただの良い奴らで終わっているし、監督もインタビューでそっちしか語ってないのだ!

手法によってそれが見えにくくなっている本作は、ハッキリ言って駄作になっていると思う。いつか、裏の真意をちゃんと語って貰いたい。イーストウッドなら、この話において、テロリスト側の数日間もちゃんと描いて欲しかった。そっちが無いのはあまりにおかしくないですか??