氷雨水葵

悪魔の奴隷の氷雨水葵のレビュー・感想・評価

悪魔の奴隷(2017年製作の映画)
3.7
2023年68本目

しっかりホラーでした

◆あらすじ
リニの母親が病に倒れ3年、生活が困窮するリニ一家は祖母の一軒家へ身を寄せる。

しかし、ほどなくして母親は他界。さらに、喘息だった祖母も他界してしまう。

しばらくして、リニや3人の弟たちは亡き母と思われる霊を見るが―――。

◆感想
インドネシア産ホラー『夜霧のジョギジョギモンスター』のリメイク。とはいえ、私はまったく知らなくて、インドネシア産映画も初めて。実は続編『呪餐 悪魔の奴隷』のほうを先に観てしまったので1作目も鑑賞。しっかりホラーだった!!しかもちゃんと怖い。全体の評価は低いけど個人的にはぶっ刺さる感じで、もっとホラー映画が恋しくなる季節(真夏)が来たらもう一回観ようかなと思うほど。

所々『呪怨』や『リング』といったJホラーみたいな演出があったのが良かった。とくに、終盤の父親と末っ子が井戸に落ちたシーン。完全に貞子だったが!?明るいシーン以外は結構ジメジメしているので、そういう部分も似てますね。
ジャンプスケアも多々あり、そのどれもに割とビビる(笑)久しぶりにドキッ、ゾワッとするようなホラー映画を観たという印象。ビビらせ方は『死霊館』っぽさがあり、音やカメラアングルでドキドキできるのがたまらない!「こういう展開が来るのでは?」と予想できる部分もあったのですが、それでも面白さや興味はそのままに最後まで退屈せずに観れました。
ただ、1つ残念な部分といえば、後半はカルトやゾンビ要素が入り乱れ、完全には悪霊ものではなかったこと。もっと母親の悪霊だけによる恐怖演出を期待していたから、そこは少し残念でした。でも前半の恐怖演出はめっちゃよかった!脚本は秀逸だし、心休まらないペースでビビらせてくるから謎にクセになります(笑)

個人的に好きだった部分は、ベルが鳴る演出かな。ああいうベルの音って耳に残るし、それだけでゾワゾワするから割と好き。トニーが母親の部屋を訪れて、宙に浮いたベルが落ちるシーンとか最高やった。あと、三男ボンディが母親の歌手時代の壁掛け写真にシーツを投げるシーン。「まさか・・・」と、今までのホラー映画鑑賞の経験から「こうなるよね」と予想はできたものの、本当にその通りになっても普通に怖かったです。

続編を先に観たから末っ子がどうなるのかと楽しみにしていたのですが、なるほどあの子は’’666’’みたいな存在だったか。カルトだとか宗教だとかは理解しがたいのだけれど。高めの声で笑ってるイアンくんめっちゃ怖かったよ。ホラー映画って大体末っ子が犠牲になりがちよね💦

とにかくジャンプスケアが多い!

てか、なんで後半はあんな展開・・・というか演出になってしまったんだ?怖さの欠片もなかったよ?終わり方は完全に続編と同じだったし!(いや、本作が先なんだけど)
しかも、リニが正装してお祈りするシーン、続編でもまったく同じようなシーンがあってちょっと笑ってしまった(え、同じやんww)。

Jホラーのようなジメジメ感があるので、そういう作風が好きな人には観てほしいです。
時系列で観たほうが、より続編を楽しめると思います。

リニたちの母親が『死霊館のシスター(ヴァラク)』に見えるのは私だけ?(笑)
氷雨水葵

氷雨水葵