モモモ

ドラゴンボール超 ブロリーのモモモのレビュー・感想・評価

4.0
今までのドラゴンボール映像化作品の中でもダントツで面白いのでは…?と思える劇場版最新作。
「超」は未見なので若干不安だったが全く問題なく楽しむ事が出来た。
今までOVAやゲーム等で描かれてきた様々なサイヤ人周りの外伝要素の多くを内包し2時間の中で昇華した物語が最高。ファンが観たかった(僕が個人的に望んでいた)物を余す所なく描いてくれたので何も言う事は無い。
飽くまで正伝では無かったブロリーの描き直し方が良い。ブロリー登場作品の要素(出自、性格、戦闘シチュエーション)の美味しい所だけ抽出して「逆恨みカカロットォ連呼野郎」というイメージしかなかった男を「悲劇のサイヤ人」として魅力あるキャラに生まれ変わらせただけでも大満足。
ただブロリーに怯えて何も出来なかったベジータに不満を覚えた子供時代の自分に見せてあげたいベジータVSブロリー、「ブロリーVR」な悟空VSブロリー、オマケ扱いなフリーザーVSブロリー、そしてチートVSチートのゴジータVSブロリー、本作によってドラゴンボールの戦闘描写は一段階上に引き上げられたと感じるし「マン・オブ・スティール」でザックが成し遂げた超人描写に邦画界が追随出来たと思う。
今までの作品にあった「ブロリー強い」を描き過ぎてまともに立ち向かえるキャラが1人もいないモヤモヤを解消する「ブロリー強い」を保ちながら接戦を繰り広げ果てにゴジータが圧倒する、というパワーバランス感覚が見事な構成だった。
前半ドラマ、中盤以降ずっとバトル、という物語構成は「神と神」「復活のF」と同じだが前2作より圧倒的に面白かったのは「サイヤ人の物語」が面白かった故か、物語のベースがシリアスからブレなかった故か。
今後も数年周期でこのクオリティでスピンオフ要素を正伝に組み込んでしまう「ドラゴンボール」作品が観たい。
モモモ

モモモ