これまで五万と作られてきた善の押し売りのような物語であり、実にステレオタイプな作品だった。
この時代に、ましてはネットフリックスでGoが出たことに驚きを隠せない。
社長令嬢が自分の身分を隠し、ど田舎で慈善行為を始めるのが物語の骨子。なのだが、目の前の慈善行為──、つまり作品のテーマとメッセージを伝えたいばかりに他のことがおなざりになってしまっている印象を受ける。
エレンの身を案じ、吹雪の中一晩車を走らせてやってきた彼氏に、ねぎらいの言葉一つかけることができないヤツに正しい心が備わっているとは微塵にも思えない。
そもそも大企業の後継者になるための試練がコレというのはさすがに陳腐すぎるのではなかろうか・・・。
また映画がデジタル撮影されるようになって20年近くが経とうとしているが、本作は典型的な映画デジタル時代が生み出した負の部分が見て取れる。
あまり詳しくはないのだけれど、絵がとてもデジタルっぽいのだ。つまりカラーグレーディングをすっかり置いてけぼりにしてしまっている印象をうける。
その結果、ディズニーチャンネルで毎週やっていそうなチープな見栄えになってしまっていると言えるだろう。