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トム・オブ・フィンランドのmeraのネタバレレビュー・内容・結末

トム・オブ・フィンランド(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

とても良かった。

1番印象に残ったのは、アメリカに来ることなく病気になってフィンランドで死んでしまったトウコの恋人。彼と出会えたことが、トウコの愛で、運命で、幸運だったと思う。

自分にとっては自然なセクシュアリティで投獄されるほど差別されることはとても恐ろしいし、今も同じようなことはあるのだろうし、あってはならないとあらためて思った。誰かのそれを害するのでなければ、自由に幸せに生きる権利は誰にでも必要。

トウコのリビドーがたくさんの同志を救ったんだなと思うと、そうなってどちらも良かったし、リビドーの力はすごい(妹に見せちゃったのはやらなくても良かったような気もするけれど…家族のリビドーは知らなくてもいいですよね? 芸術だから見せたのかな…)。

先日観た「氷上の王、ジョン・カリー」でも80年〜90年代のエイズによる、アーティストコミュニティの崩壊や死や社会的なゲイへの偏見が描かれていたけれど、この頃のアーティストを描くと避けて通れない問題で、本当にエイズのショックは大きかったことが伝わってきた(当時日本でも著名人の死がニュースになったり、先鋭的な少女漫画の題材になっていたりしたけれど、ネットもない時代だし、そこまでリアルタイムの情報は得られなかった)。

そこから、今ゲイのメジャーなアーティストたちが自然にインスタとかでハッピーな恋人や友人たちとのバカンスをアップしているのを見たりすると、見ているだけで幸せな気持ちになる。トウコも死ぬ前に認められて良かった。
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