漫画で読破シリーズの「資本論」と「共産党宣言」を読んだ程度の無知っぷりで見始めたので誰が誰やら何が何やらわからない状態で途中調べながら見たんだけど無知でも十分楽しめる素晴らしい青春伝記ドラマだった。
何を成したかと言うよりも、何故、どのように成したかを見せたドラマなので人物ドラマとして楽しめる。それどころか権力にも金銭にも他者にも媚びず一切妥協をしなかった天才のドラマだったので最高だった。予想だにせずツボに刺さって嬉しい驚き。非難されても貧乏でも絶対に譲らない徹底した姿勢が熱かった。エンドロールで影響力の結果が出てくるのも良い。歪曲された結果ゆえの悲劇性がドラマの魅力と合わさって何ともいえない味わいが残った。
役者がみんな上手くて、誰やらわからない状態でたくさん出てくるわりに覚えやすく、ドラマの流れも端的に整理されていてわかりやすい。
何より主役のマルクスとエンゲルスのバディ感が最高で、二人で戦いひっくり返して立ち上がる様が愛らしい。見ているだけで心惹かれる魅力があった。特に二人の再会のシーンは狙いすぎて萎えかねないギリギリのところで素直にニヤけて楽しんじゃう愛らしさだった。
ドイツ語フランス語英語と入り乱れていて全部本人たちがちゃんと喋っているので、思想と議論の映画として真っ当な作りに好感。様々な国で色んな国籍の人たちと各言語で対話する展開を見ているだけで無性に楽しい。
見終わって人物についてあれこれ調べるのがまた楽しい。世の中知らないことだらけだけど映画で出会って興味を広げていくのは楽しいものですね。伝記映画や歴史映画はだいたい誰なのか何が起きたのか全く知らない状態で見るので展開も楽しめる笑。
思った以上に心に残った。見たら録画消そうと思ったけど取っておくことにしよう。
マルクスの奥さんどっかで見たなと調べたら「ファントム・スレッド」の人だった！！！！
