ワケありの人達が集まって形成される擬似家族。
傍から見たら本当の家族にしか見えない。
子供は親を選べない。
親ガチャという言葉があるけど、祥太やりんちゃんは大ハズレ。
安藤サクラ演じる信代が本当の母親らしくなっていくけど、これが長く続かないということも心のとこかで思ってる。
それでも彼女の言う「選んでくれた」とか「絆」という薄っぺらい言葉ですら信じたくなる。
りんちゃんが擬似家族のもとでどんどん子供らしさを取り戻していく姿に涙。
初めての兄、初めての海水浴、初めての万引き…。
どんどん子供らしさを取り戻していくりんちゃんを微笑ましく見つつ、これが長くは続かないであろうことに涙が出てくる。
リリーフランキーや樹木希林、松岡茉優など、キャスト陣も素晴らしい。
特に安藤サクラが上手くて、最後の涙や面会シーンはこちらまで泣けてくる。
邦画って子役の演技で冷めることが多いけど、これは子役の演技も自然。
子役自身の演技力もあるけど、是枝監督って子役の演技引き出すの上手いのね。
「ベイビーブローカー」のティーチインで監督が、「ベイビーブローカー」と「万引き家族」は女性が母性を得ていく過程を描きたかったと仰っていて納得。
産んだからといって母性が目覚めないひともいて、逆に他人の子でも母親になり得ることを描いてた。