ざわさん

万引き家族のざわさんのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
3.0
2018年 106本目

実は是枝監督作品は、これまで一つも見たことがなかった。パルムドール受賞おめでとうございます。
脚本・編集も監督自身が手がけているので、これが監督が100%見せたかったものなのだろうけど、個人的にはあまり響かなかった。予想以上に観客に投げかけている問題提起の質と量が大きすぎて、話題性だけを動機にこの映画を見に行った人は拍子抜けする気がする。
万引きを正当化しているわけではないけど、常識的に考えて…って思ってしまった。
ただこの映画は内容面よりも、俳優たちの演技力がピカイチ。邦画あるあるの、どう見てもお芝居にしか見えない ということが全然感じられなくて、本当に実在するある一つの家族を映したって感じ。特に自分が惹かれたのが、安藤サクラと樹木希林。すごいな〜。リアルと演技の境界線はどこにあるんだろ。あとは、駄菓子屋の柄本明が祥太に言った一言が、映画の中で一番ズシンときた。正義とは。
でも、お話に起伏が起こるのが随分と後の方なので、そのガチすぎるお芝居を長々と見ていると、「今これ何をずっと見てるんだろう?」ってちょっと思ってしまう。映画って難しい。
ざわさん

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