ノットステア

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのノットステアのレビュー・感想・評価

4.6
60年代のロサンゼルスが舞台。
タランティーノ的ハリウッド黄金時代。シャロン・テート殺人事件が終わらせたハリウッド黄金期。


○感想
先輩と観た。この映画のあと、神楽坂で一緒に呑んで、青酎か何かを呑んで酔っ払ったのもいい思い出。あんま、味が好みじゃなくて、、、

私にとって初めてのタランティーノ作品。
観る前にシャロンテート事件について予習しておいてよかった。そのおかげもあってか、最後ドキドキできた。ドキドキからの笑いはたまらない。
グロいというか容赦ない暴力なのにスカッとする。笑える。こんなの初めて。
ブラッドピットがかっこよす過ぎる。これで55歳?筋肉と余裕のある態度。
ディカプリオ出演作品を今まであまり観たことがない。そのせいで、キレイな王子様系だと思ってた。だけど違った。ワイルドな、迫力満点の威嚇とか、やつれた感じの演技とか、観ていてなんというか、後ろに押される感じがした。

①アンテナを直すために屋根に登り、アロハシャツとTシャツを一気に飲むシーンとビールを飲むシーン。
②雑なエサやりのシーン。そんな高さから落とすから、飛び散ってますけど!!
③ブラピ演じるクリフがジョージのいる部屋まで強引に入っていくシーンと車に戻るシーン。
④ディカプリオ演じる酔っぱらったリックがヒッピーに怒鳴り散らすシーン。
⑤拳銃を持ったヒッピーを目の前にしてラリッてるクリフのシーン。
この五つのシーンがたまらない!!他にもブルース・リーとの喧嘩や火炎放射、車の運転、良いシーンが多い。映画の雰囲気が最高だからかな!
なぜ余裕を保っていられるのか。観ていてこっちはかなりハラハラさせられたのに本人たちは呑気なもんだ。
アメカジが好きなのでブラピの服装がたまらん。私はLEVI'S派だけど、淡いブルーのデニムオンデニムもいいし、何より黄色のアロハシャツとデニムの合わせが最高。白のデニムオンデニムも良かった。血がついちゃったけど。

ハリウッドで働く俳優の栄枯盛衰。人物対比が上手い。制作者の設定臭を感じさせない上手さ。

・“元スター”リック
一時は人々からちやほや。
いまや若い俳優の人気を上げるために利用される存在。

・リックのスタントマンのクリフ
クリフなしにリックのキャリアは成立しなかった。
親友との格差(一等地の大きな家のリックとボロボロのトレーラー暮らしのクリフ→スタントマンは危険な仕事にもかかわらず、俳優に比べて低いギャラ)

・マーゴット・ロビー演じるシャロン・テート
仕事も私生活も絶好調。これからの活躍も約束された若手女優。贅沢な生活。成功や人気に執着。


○印象的な言葉   
・ブルース・リー「大口をたたきやがって。喜んでみんなの前でおまえを黙らせてやる。俺の両手は凶器として登録されている。もしおまえと戦って殺してしまったら、刑務所に入れられるってことを意味している」
クリフ「戦って人を殺しちまったら、誰だって刑務所に入れられるだろ。故殺ってやつだ」

・ナレーター「兄弟以上だが夫婦未満の相棒との別れの時が来たら、一緒に酒を飲みまくる以外に別れの方法はない」

・リック「クソヒッピーどもは大丈夫じゃない。それは絶対確実だ」


○俳優(役)
・レオナルド・ディカプリオ(リック・ダルトン)…ハリウッド在住の俳優
・ブラッド・ピット(クリフ・ブース)…リックの専属スタントマン
・マーゴット・ロビー(シャロン・テート)
・アル・パチーノ(マーヴィン・シュワルツ)
・マーガレット・クアリー(プッシーキャット)
・ジュリア・バターズ (トルーディ)… 8歳の少女。トルーディは役者としてのプロ意識が非常に高く、「眠くなる」という理由で昼食も取っておらず、スタジオでは役名で呼ぶように求める。


○時代背景
・マンソン・ファミリーとベトナム戦争
反戦を訴える若者たち「ヒッピー」の活動。なかにはドラッグを常用しているグループもあった。
シャロン・テート殺人事件の犯人であるマンソン・ファミリーも、もともとはヒッピーのグループ。

・マカロニウェスタン
1960年代後半から70年代前半にかけて数多く制作されたマカロニウェスタン。イタリアで制作された西部劇。
アメリカ…善人が主人公で清々しいストーリー。
マカロニウェスタン…主人公は暴力的で、ほかの登場人物もアウトロー。

・テレビ俳優と映画俳優
テレビ俳優と映画俳優が明確に住み分けられている。