なお

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのなおのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

以前から気になっていた作品であったことと、自宅のFireTVをつけると真っ先に本作の広告が出てくる時期があったので鑑賞。
アマプラで配信中なら見るっきゃない。

本作にも登場する、ハリウッド女優のシャロン・テートがカルト集団に殺害された実際の事件を基に構成されたドラマ作品。
レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットという名優ふたりが初タッグを組んだ作品でもある。

✏️落ち目俳優の美学
ブラピ×ディカプリオの黄金コンビが織り成すドラマ、これを見ているだけでもう楽しい。
オマケにみんな大好きマーゴット・ロビーまで出てくるってんだから、キャスティングに関してはほぼ100点満点の一言。

作品の感想。
かつてテレビスターだったリック・ダルトンと、その専属スタントマンを担当してきたクリフ・ブース。
文字通り二人三脚でハリウッドの世界を渡り歩いてきた二人だが、時代の流れに取り残されすっかり落ち目の俳優に。

今や新たなスター俳優のかませ犬であるという現実に目を背けたい、スターだったあの頃が懐かしい、過去に戻れるなら戻りたい…と苦心し、あがくリックの姿は何とも言えぬ郷愁と悲哀たっぷりで、自分がもう少し年を取ってから本作をまた見たら泣いてしまうかもしれない。

それだけに、中盤で「悪役」という新たな自分の生きる道、活路を見出した瞬間のリックの感情に触れたときには涙があふれそうになった。

それと対照的に「なんとかなるさ」と言わんばかりに飄々としたクリフの生きざまにもちょっと憧れる。
スタントマンの仕事はもらえず、日々のタスクといえばリックの雑用ばかり。
それに嫌な顔ひとつせず、むしろ落ち目のリックを支えようとする献身的な姿からは、二人の並々ならぬ友情というものを感じさせる。

作品全体の雰囲気も実によろしい。
60年代のヒットソングが流れるカーラジオ、そして今見ると少しレトロなアメ車の重低音は実に心地いい。

✏️衝撃のラスト
終盤までは何かド派手な事件や展開が待ち受けるでもなく、落ちぶれつつも何とか自分の生きる道を模索する二人の中年男の姿を描いたドラマかと思いきや…

突如作品のジャンルがスプラッタに早変わり。
この展開は全く予想だにしていなかったのでかなり度肝を抜かれた。

本作はシャロン・テートがカルト集団に殺害された事件をベースとしていることは既に語ったが、本作ではそのカルト集団(ヒッピーたち)をまさかの返り討ちに。

いきなりのゴア描写だったり、スピーカーから響き渡る女性の悲鳴は、そういう系統の映画が苦手な方にはかなりキツイ表現となっている。
本作公開当時、というかサブスク配信されている今でも「こんなはずじゃなかった」と天を仰ぐ人が多そう。

あの一連の展開は、タランティーノ監督なりのカルト集団への「復讐」だったのだろうか…

☑️まとめ
作品時間は2時間半越えとそれなりのお時間。
そのため途中若干退屈に感じる時間があることは否めない。

だがしかし、それを補って余りある豪華俳優陣の共演と、懐かしき60年代カルチャーの描写は一見の価値アリ。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★★★
🥲感 動:★★★☆☆
📖物 語:★★★★☆
🏃‍♂️テンポ:★★★☆☆

🎬2023年鑑賞数:88(40)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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