オリオンの息子

男と女、モントーク岬でのオリオンの息子のレビュー・感想・評価

男と女、モントーク岬で(2017年製作の映画)
2.9
『男と女・・・』という題名は、『ダバダバ・・・』と我が青春時代を通り抜けたフランスの名作に似ているということと、ドイツの名匠シュレンドルフが監督という理由で鑑賞。

相当の期待感を持ってみたのだが、結果はアチャー!

シュレンドルフの私小説的な脚本ということだが、何せ古すぎる。
昭和の初めに何とか派という小説家集団が次から次へと、女性とくっついて離れて、そのエピソードを小説化して得意満面になっている醜悪感を彷彿させる。

何十年か前に判れたカップルが、久しぶりに再会というありきたりのストーリーだが、再会後、二人の雪解けが進めば進むほど、女性は魅力的になってくるのに反して、男は手前勝手な単なる色ボケ爺さんに見えてくるのは笑えた。

監督はロマンチックに描いているのだろうが、私には悪趣味なコメディーとしか思えなかった。

男は過去の恋愛を引きずり、自分本位に美化したがるもの。
女はさっと上書きできるもの。

ここのところを巨匠が理解できないのか、理解しながら美化して描こうとしているのか、私にはわからない。

ただ、全く楽しめなかった作品であったことは間違いない。