えむ

グッバイ、リチャード!のえむのレビュー・感想・評価

グッバイ、リチャード!(2018年製作の映画)
3.7
末期ガンを宣告された大学教師のリチャードが、どうせならやりたいことをやってから死ぬと決めてそれを行動にうつしていく…という物語。

でも、そのやりたいことってのが、ドラッグとかセックスとかだったり、家族には話そうとしたら、妻は不倫してる、娘は自分がレズビアンだと先に告白されちゃって、結局言い出せず…

と、笑っていいんだが、心配してしていいんだか、よく分からなくなります。
一応コメディらしいけど 笑


ジョニーデップの持つ雰囲気のせいか、単純、素直なようでいて、家族や病に対する態度とか、ちょっとひねくれた猫のようなとこも感じるので、やってる内容が、シンプルにハチャメチャしてみたかったってだけなのか、それともやっぱり自暴自棄な面もあるんじゃないかとか、つい勘ぐってしまう…

でも娘には優しかったり、不倫した奥さんにも手を挙げたりはしないんだよね。
学生にも人気はあるようだし、根は良い人なんだろう。

やってることの内容は残念だけど、最後、残った精鋭(強者?)学生に対して、若いのだからチャンスを掴め、やりたいことをやれと伝えるシーンや、友人や家族へ病気のことを伝えるシーンはやはりグッときます。

草原の中を車で走り、突き当たったT字路をただの行き止まりにするのでなく、用意されたほかの方向へ曲がるのでもなく、道無き道を突っ切っていくラストは印象的。

でも、やっぱりどこか猫っぽい人だから、このまま人知れず去って、誰にも最後は看取らせないつもりなのかな…と勘ぐってしまいます。笑
えむ

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