夫の浮気をきっかけに人生を見つめ直すことになる女性の姿を、笑いと涙、音楽とダンスを交えて描いた人生賛歌のドラマ! イメルダ・スタウントン主演、リチャード・ロンクレイン監督。
35年間寄り添った夫がナイトの称号を授与され、自身もレディとなったサンドラ。順風満帆に見えた人生だったが、夫と親友の浮気現場を目撃してしまい、傷心で姉ビフの家に転がり込む。金や名誉とは無縁のビフは、親友やダンス仲間に囲まれ、人生を謳歌していた。妹を心配するビフは、サンドラをダンス教室へ連れていく。かつてダンサーを目指したこともあるサンドラは、音楽とダンスに心を癒され、忘れかけていた情熱を思い出す…。
往々にして、夫は妻に、“良き妻であり、良き母であること”を求める。しかし、それが履行されるのは、“夫が良き夫である限り”という条件が付いていることを、長年連れ添っていると、すっかり忘れてしまう夫も多い。だから、その条件を守れず、妻に反旗を翻されると、途端にしおらしくなり、妻に理解のある夫であることを必死で訴えかけてくる。サンドラの夫マイクは、その典型。サンドラとよりを戻したいのは、お互いの幸福のためというより、むしろ警察官である自分の世間体のため。だから、そんな心を見透かされ、結局、サンドラに愛想をつかされる。
さまざまなな柵から解き放たれたサンドラのこれからの人生にエールを贈るとともに、マイクのような夫にはならぬようにと自戒する作品だった。
