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アナと世界の終わりのsomaddesignのレビュー・感想・評価

アナと世界の終わり(2017年製作の映画)
3.5
ゾンビとハイスクールミュージカルがこんなに合うなんて!ヽ(´∀`●)
サントラ欲しい!

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イギリスの田舎町リトル・ヘブン。幼い頃に母を亡くした高校生のアナは、現在は父トニーと2人で暮らし。夢も希望もない田舎町にうんざりしているアナは、父に内緒でオーストラリア旅行を夢見てバイトに励む日々を送り、幼なじみのジョンは、そんな彼女の夢を応援しながら密かに好意を寄せていた。しかしクリスマスイブに旅行の計画がバレてしまい、アナと父は大ゲンカに。翌日、いつも通り学校へ向かっていたアナとジョンの前に突如として血まみれの男が現れ、ジョンに襲いかかる。アナは咄嗟にシーソーを使って男を撃退するが、なんと男の正体はゾンビだった。
2010年にライアン・マクヘンリー監督・脚本による短編「ゾンビ ミュージカル」の長編映画化。

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予告編で一目惚れ。予想以上に面白かった!
「ゾンビランド」や「ショーン・オブ・ザ・デッド」へのイギリス田舎町からの回答。

前半は普通にハイスクールミュージカルなんだけど、「ハリウッド映画みたいなエンディングなんてない」と歌うとおり全然予測できないオバケトロッコに乗せられた気分。
三幕目以降、ホラー映画に振り切ってからは尻つぼみしてくのが残念で、あれなら最後までコメディを通しても良かったように思う。

イギリスの低予算映画で、見知った役者さんが一人もいなくて誰が死ぬのか予測つかないのもまたイイ!(*゚∀゚)

ゾンビ映画最大の山場は、主人公達が初めてゾンビと出会う瞬間じゃないかしら。見知った存在が襲ってくる日常に潜む狂気だったり、可愛い見た目にグロテスクな行動のギャップだったり見せ方は様々。

ロメロはゾンビに消費社会の虚を反映してたけど、今作だと夢見がちな10代が生と縁の貴重さを知る話かしら。

元になった「ゾンビ ミュージカル」
https://www.youtube.com/watch?v=hnYddpsP67U
短編を監督したライアン・マクヘンリーは、一時期流行った『(画面に映る)ライアン・ゴズリングにシリアルを食べさそうとしては断られる』vineのシリーズ「Ryan Gosling Won't Eat His Cereal」で知られるも、若くして骨肉腫と診断されてしまう。闘病の床にあっても抗がん剤で頭髪が抜け落ちた自身の姿をTwitterにUPし続け、クソコラグランプリを開催するなど周囲を楽しませていたものの、2015年5月27歳の若さで帰らぬ人になってしまった。(彼を追悼して、長らくネタにされ続けたライアン・ゴズリングが実際にシリアルを食べるvineをUPしたのも泣けた)
長編化にあたって、旧知のプロデューサーを通じてライアンからジョン・マクフェールにバトンタッチ。遺志を受け継ぐこととなった。

背景や小難しいこと抜きにして、映画全体若くエネルギッシュな勢いがあって清々しい!「桐島、部活〜」「カメラを止めるな」といい洋邦問わず、ゾンビ映画と青春の組み合わせにハズレなし。

(5点中3点満点のジャンル映画にあって、満点を越える満足度だったのでこの評価)


48本目
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