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映画 ○月○日、区長になる女。のsomaddesignのレビュー・感想・評価

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2022年、東京23区の西。人口57万人が暮らす杉並区の区長選を追ったドキュメンタリー。普段声の届かない人たちの逆転劇として楽しんだ。(何書いても怒り狂った人に突撃されそうで怖いので星なし)


「船頭多くして船山に登る」を思わせる序盤。
夜の高円寺路上で支援者の女性と侃々諤々の意見交換をするシーン。岸本さんが有線イヤホンをカバンから取り出すが、めちぇめちゃに絡まったイヤホンがなかなか解けない…。支援者との女性との会話と絡まったイヤホンが同じ画面で繰り広げられて、こうも上手い具合に象徴的な事象が撮られてて面白かったのと、「互いを説きほどく、対話とはこういうものなのかもなあ」と思ったり。


少し引っかかってしまったのは、端緒となった「都道133号補助線 拡幅・延伸計画」の件。住まいや職場が失われる窮状しか分からず、そもそもなぜそういう計画があるのか(混雑緩和や歩行者・自転車の安全な走行、防火防災、緊急車両の通行確保etc.という目的らしい)、計画を止めた場合、懸念されている課題に対してどう向き合うのか描かれなくてモヤモヤっとした。


自分用備忘メモ)
区長選挙の前年、2021年衆院選。1996年から長年石原伸晃の牙城だった東京8区を、立憲民主党の吉田はるみ候補が野党統一候補として勝利したのも区長選の背景にあるやも。
岸本陣営の選対本部長で、岸本さんに区長候補として白羽の矢を立てた内田聖子氏によれば、定数48人中15人を数える最大会派だった「杉並区議会自由民主党」から田中区政に批判的だった9人が離脱。新会派「自由民主党杉並区議団」を結成。独自に候補を擁立する動きもあったようだが結局断念。最大会派の分裂もまた選挙の結果に大きな影響を与えたと語る。最大会派を分裂させるほど、前区長の区政が幻滅モノだったのかもしれない。一方でそれだけの分裂を生みながら、結果的には大接戦になるんだから組織票ってすげえ&低投票率やべえ。



2本目
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