maro

クリード 炎の宿敵のmaroのネタバレレビュー・内容・結末

クリード 炎の宿敵(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

  ストーリー:★★★★★★★★★★
 キャラクター:★★★★★★★★★★
     映像:★★★★★★★★★★
     音楽:★★★★★★★★★★
映画館で観たい:★★★★★★★★★★

シリーズ最新作が2023年5月26日に公開されることを踏まえ、1週間限定でのリバイバル上映。
『クリード』シリーズ第2作目。
もうね、こんな宿命の対決あんのかってぐらいの設定に身もだえた!!

今回はもう冒頭からびっくりだよ!
だって、あのイワン・ドラゴ(ドルフ・ラングレン)が出てきたんだから!
『ロッキー4/炎の友情』(1985)でアポロ(カール・ウェザース)を死に追いやったまさにその人!
で、そのドラゴの息子であるヴィクター(フロリアン・ムンテアヌ)が今回の対戦相手。
アドニス(マイケル・B・ジョーダン)からしたら父親の仇の息子なわけだ。
つまり、親のリベンジ・マッチが子供の代で行われるってこと。
しかも、ドルフ・ラングレンやブリジット・ニールセンなど、当時の役者をそのまま起用してるのもファンからしたら興奮ポイント。

今回の映画で一番印象的なのは、アドニスの復活劇。
最初のヴィクターとの戦いでコテンパンにやられて、肉体的にも精神的にも絶不調。
子供ができるのにこんなんでいいのかという不甲斐ない自分への苛立ち(ここらへん、昨年子供ができた自分としては共感度高い)。

そんな彼に、父親の存在の大切さを教え、何のために戦うのかを問うロッキー(シルヴェスター・スタローン)。
彼もまた、息子とうまく関係性が築けておらず、そもそもアポロを死なせてしまった責任も感じてるんだよ。
だから、同じ過ちを繰り返してほしくないっていう自身の体験に基づく強く想いがある。

結局、自分の道を諦めたら何者でもなくなることが一番怖かったんだよ、アドニスは。
勝ち負けでもないし、何かを証明したいわけでもない。
ボクシングこそが自分だという答えを見つけ出して、自ら立ち直る。
堕ちたときって、誰かが助けるよりも自分で這い上がらないと、根本的な解決にはならないってことがよくわかる。

終盤のヴィクターとの再戦は全シーンがクライマックス。
アドニスもヴィクターも筋骨隆々で、互いに一歩も譲らない打ち合い。
途中、アドニスはヴィクターから肋骨を折られてピンチに陥るんだけど、彼は決して諦めない。
勝ち負けじゃない、己の信念のために、どんなに殴られても必ず立ち上がる。
その不屈の精神が凄まじかった。

最後のドラゴの行為はグッとくるよ。
ドラゴはロッキーに負けてから人生が狂ったとして、絶対に負けられない戦いだった。
でも、傷つく息子の姿を見て、ああしたんだよね。
復讐の鬼と化していた彼が父親としての顔を見せたのは、今回の映画で一番の変化だと思う。

そんなわけで、感動的なドラマと興奮のファイトが楽しめるこの映画、もはや観ないという選択肢はないと思う。
『ロッキー』シリーズを追ってきた人ならもちろんのこと、絶対諦めたくないときに観てほしい一本。

(2023.5.9追記)
(2023.5.24追記)
maro

maro