マグルの血

I am Sam アイ・アム・サムのマグルの血のレビュー・感想・評価

I am Sam アイ・アム・サム(2001年製作の映画)
4.3
知的障がい者の父親が裁判で娘の親権を争う話。

年の瀬なので、今年の締めはわかりやすい名作映画で締めようかなと。なんとなく今まで観てこなかったので。

観終わって、一番最初に美しい精神を描いた映画だなと思いました。
主人公サムは発達障がいで7歳までの知能しかない。生まれてきた娘ルーシーは非常に賢く、そしてサムをとても深く愛している。当然サムもルーシーをとても大切にしている。

不遇が重なりサムの元からルーシーが引き離され、一緒に暮らしていくための裁判に。サムの裏表のない誠実な人柄が周りの人間を変えていく。果たしてサムはルーシーを取り戻すことができるのか。

劇中ではクレイマークレイマーを引き合いに出すことが多かったです。
それとは状況がかけはなれていますが、観たことある映画だったのでちょっと嬉しかった。

周りの友人の支えや、本意ではなく弁護を引き受けてくれたリタがサムに心を開いていく様がハートフル。全体的にビートルズのナンバーで彩られ、サムやルーシーの言葉の選び方やしぐさの一つ一つが非常に愛おしいです。

「こうでなくてはならない」と「あいまいでいいじゃない」のせめぎあいというか、善悪の区別がつきにくい人としてのあり方みたいなものは実に歯がゆいものです。どちらも必ず必要。
検事の詰め方は非情に見えて的を得ている部分もある。客観視したとき果たしてサムは良い父親として機能するのかは疑問もあるのは確か。実際本人がそこに悩み葛藤する様子が描かれており、しっかりとした議論と落としどころを探すのは色々な人の助けが必要だと思います。

サムのような人間は父親にふさわしくないとは思いたくないが、愛情があれば困難を乗り越えられるとも言いたくない。

困っていたら助ける、ホントこれだけのことなんですけどね。これからも考え続けなければ。大人なので。



2023本は113本の映画を新たにマークしていました。レビューにいいねやコメントを頂いた皆様本当にありがとうございました。

来年もたくさんの新しい映画と出会えることが今から楽しみです。
来年はジャンルや年代を気にせず映画みを観れたらいいなと思います。

よいお年をお迎えください。
マグルの血

マグルの血