沈黙する人々と亡くなった女性の死にまつわる真相。
ガリレオシリーズ多分ほとんど観てない。原作も当然未読。映画シリーズを観たような観てないような曖昧な記憶。
にも関わらず登場人物に馴染みがあるのが凄いと思うガリレオシリーズ。キャラが立ちまくっているのでほとんど予備知識がなくても全然楽しめる。作りがとても良いです。前作の記憶がなくても、ドラマを観たことなくても、一つの作品としてきちんと独立してるからこそ、映画だけのファンもいるのではないかと思ってしまう。
そんなわけで先日テレビで放送していたのを録画して鑑賞。
地域の人から愛されて育ってきた１人の少女。街ののど自慢で才能を見出だされ歌手としての道を今歩みだそうという最中失踪。
そして遺体で発見される。
疑われた男は過去に少女殺害容疑で一度逮捕されるも完全黙秘を貫き無罪となった男。
今回も決定的な証拠がなく証拠不十分で釈放。
彼女を慕っていた家族やその友人、地域の人々が結託し、ある計画を立てる。
「沈黙のパレード」というタイトルが実にふさわしい。互いを思いあい沈黙する人々。
前作も記憶している限り相当なヘビーな空気を纏った作品だったと思うが、本作も語彙力なくて申し訳ないけどヤバかったです。この人間模様と事件の真相。どうやったら思い付くのでしょうか。恐るべし東野圭吾。
主要キャラである天才物理学者湯川、刑事内海はあくまで物語を円滑に進める材料でしかなく、事件によって傷ついた人々ががっつり描かれていることで、ヒューマンドラマとミステリーの両面から楽しめます。余計なメロドラマ要素も一切省いた硬派な作りも好感が持てますね。
このドラマ最大の見所は、この事件と過去の事件を担当した刑事草薙役の北村一輝の圧倒的な演技力。
警察としての無力さにうちひしがれ、焦燥し憔悴していく演技が狂気とも呼べるほどに痛々しい。
物語のクライマックス、椎名桔平の演技とセットでかなりぐっときました。
この空気感を纏いながらも、邦画特有の間や表情で雰囲気を出す演出に頼らず、高純度のエンターテイメントを保ち続けるってなかなか珍しいんじゃないでしょうか。
邦画ではかなり好きな部類に入るかも。ガリレオリレースタートですな。
2024年 30本目
3月 13本鑑賞
3月の高評価
「グッド·ウィル·ハンティング」…⭐4.7
3月の低評価
「大怪獣のあとしまつ」…⭐2.0
