きっとかつてはここが世界の中心で、何もせずとも輝いていた。寒さが厳しくても雲の切れ目から光は差すし春も来る。神さまは何をしてくれるわけでもないけど、老いても、病気になっても、女性が好きでも男性が好きでも、生まれがどこでも、彼らは静かに祝福されている。
停滞した世界に取り残された疎外感と孤独、染み付いた差別意識、現状への不満、いろいろ持っていても恵みの大地に根付いた愛は変わらず生きていて、彼らの、動物たちへの無条件の慈しみの目に心を打たれた。動物にも人間にも言葉は少ないけど、表情が何もかもを伝えてくれる。愛に満ちた目。
ジョシュ・オコナーの泣き顔のような笑顔、今にも声を上げて泣き出しそうな切ない笑顔は誰にも真似できないと思った。うまく心は開けないけど、縋りたい助けてほしい笑顔。どうしたの、大丈夫だよって声をかけてしまいたくなる子供みたいな笑顔。きっと本当に時間が止まっていたのだろうね、大丈夫だよ。
シネマート心斎橋、満員御礼ですごかったです。