ぶみ

生きてるだけで、愛。のぶみのレビュー・感想・評価

生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)
2.0
ほんの一瞬だけでも、分かり合えたら。

本谷有希子が上梓した同名小説を、関根光才監督、脚本、趣里、菅田将暉主演により映像化したドラマ。
躁鬱病や過眠症を患う主人公の姿を描く。
原作は未読。
主人公となる女性・寧子を趣里、彼女と同棲しているゴシップ雑誌の編集者・津奈木を菅田が演じているほか、仲里依紗、田中哲司、西田尚美、松重豊、石橋静河、織田梨沙等が登場。
物語は、引きこもりがちな寧子が、仲演じる津奈木の元カノから津奈木と別れて欲しいと言われ、かつ無理やりカフェバーでアルバイトを始めることとなり、生活が変化していく様が描かれるのだが、前述のように、躁鬱病、過眠症で引きこもりという寧子を、趣里が冒頭からラストまでまさに体を張った演技で体現しており、次にどんな行動に出るのかわからない状態の連続は怪演の一言。
ただ、私的には、そんな寧子のどんな部分に津奈木が惹かれたのか、そしてなぜ同棲を続けるのかについて終始理解に苦しむこととなったこと、また、寧子についても同様で、特に終盤のある行動については、まあそんなこともあるのだろうなと思いながらも、共感はゼロだったのが正直なところ。
反面、そんな寧子を、戸惑いながらも受け入れる田中、西田、織田演じるカフェバーのメンバーの寄り添い方は、様々なやり方がある中、結果は別として、自分でもそんな風に対応しちゃうのかもしれないなと感じた次第。
手放しで面白いと言えるような内容ではなく、終始寧子の心中のように、重苦しい空気が漂っており、かつ共感できる部分も少なかったため、もう一度観ようかとも思えず、また人にオススメできるような作品でもないことから、点数としては高くないものの、決して映画としての完成度が低いわけではなく、観る人を選ぶ点が散見されることだけは特筆しておきたい一作。

あたしはさ、あたしとは別れられないんだよね、一生。
ぶみ

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