とても美しい映像作品。
ただ全てが清潔で、ひたすら綺麗で何もかもが21世紀過ぎました。
脚本はちょっと散漫で、群像劇特有の登場人物たちの個性が弱く、人間ドラマもどこか薄め。
歴史的に観て大惨事の文革や中越戦争を美化して浄化したい思いが明け透けで、キレイに撮ることだけに注力したように映ります。
当時、あの不自由で不条理な青春をおくった世代には届いたのでしょうか?
たぶん多くの人は命を落としたし、生き残ってもこんなキラキラしたノスタルジィに浸れるとも限らない。
だからこそ映画の存在意義が、五星紅旗をも輝いて見せるのでしょうか。
それにしても鄧麗君(テレサ・テン)の歌は最高。
彼女は台湾出身で中華圏で絶大な人気を誇るも、当時大陸で彼女の歌を聴くことはもちろん禁止。
歌の使われ方はとても良かったと思います。