悪魔の毒々クチビル

アクシデント・マンの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

アクシデント・マン(2018年製作の映画)
3.9
「気が済むなら俺の妻を殺しても良いんだぜ」

元カノを暗殺された殺し屋が掟を破って他の殺し屋達を敵に回しながら犯人捜しをするお話。


スコット・アドキンス主演のアクション映画です。
アドキンスさんも最近気になるアクションスターの一人でしたが、やっと主演作を観ました。

今回のアドキンスは事故死に見せ掛けた暗殺を得意とするメタル嫌いの殺し屋マイク。
序盤の流れるような交通事故キルは面白かったけど、途中から襲われ過ぎて「知るかボケ」と事故に見せ掛ける事も諦めていて笑えました。
元は同業者でもルールによってあっさり殺し合う関係になるのも、こういう職業ならではですね。
その殺し屋達も超パワー系のゴリラや武闘派傭兵コンビ、キモ陰キャな毒使い等々見た目とキャラがぴったり一致するベタな面々で大変分かりやすくて良かったです。

元カノに関して言えば、正直命懸けで復讐する程の人なのか色々と疑問でしたが、実はマイクの子を妊娠していたという「ならしょうがないか」な理由付けで何とか持っていました。

アクションはアドキンスのキレのある蹴り主体な見応えある動きが沢山あって楽しめた反面、相手側がそんなに強敵感が無いと言いますか、確かに強いんだけどポジション的には中ボスくらいの立ち位置な面子ばかりだったような気がして若干盛り上がりに欠けた所はありました。

あと傭兵コンビのミックとマックをそれぞれマイケル・ジェイ・ホワイトとレイ・パークが演じていて、2対1でマイクと闘う所があるんだけど、マイケル・ジェイ・ホワイトさん…全然動けてない。
最近彼が大活躍するアクション映画を2作観たばかりのせいか、より動きの劣化具合を顕著に感じてしまって結構がっかりしました。
ただこれ、多分だけど老いが原因じゃなくてシンプルに太っただけだと思う。
服越しからでも分かるくらい全体的に丸くなっていたし、だから脚技含め全てに於いて動きが鈍っていたと思うので改善の余地はまだきっとあると思います。
レイ・パークは全体的に結構良かったです。

最後に闘った日本刀使いのジェーンも、動きは全然良かったしテクニカルな技も格好良かったんだけどもうちょいテンポ早めになったら良かったなって箇所もちらほら。

マイクを殺し屋に育成したビッグ・レイとの関係性は好き。
レイ・スティーブンソン、いつの間にか渋いおじさんになりましたね。

内容自体はアクション以外も特にダレる事もなかったしで、良作アクションだったなと思いました。
続編である2はまだ日本では配信もソフト化もされていませんが、こっちも観てみたいです。

余談ですが、スコット・アドキンスは現在自身のYouTubeチャンネルでThe Art of Actionという、アクション俳優や監督との対談企画をやっています。
今作でも共演していたマイケル・ジェイ・ホワイトやエイミー・ジョンストンを始め、イコ・ウワイスやケイン・コスギ、ドルフ・ラングレンやマーク・ダカスコス、はたまたスティーブン・セガールと言ったベテラン勢を含めた様々な人達と対談していて英語字幕も正確さに欠ける所はありますが一応付いているのでアクション好きな人は観て損は無いかと思います。

因みにそんな中でもぶっちぎりで再生回数が多いのが意外にも(?)トニー・ジャーとの対談だったりします。
まぁアドキンスが特に同年代で尊敬しているアクションスターがトニジャなのもあるからなのかな。「この動き本当に凄いよね!」とテンション上がりまくりのアドキンスさんが微笑ましかったです。