ダイヤルN

ヘレディタリー/継承のダイヤルNのネタバレレビュー・内容・結末

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ミッドサマーの後に視聴、同監督作品とは知らずオープニングで知った
ミッドサマーについては考察に熱を入れすぎて語りそびれたが、この監督が創る作品において音楽、演出、カメラワークは大変に私の好みである

この作品も各所で話題になっていたのをあちこちで見かけはしたものの、タイミングを逃し今に至った
やはりミッドサマー同様、世間の評価から受けた印象とはかなり乖離した作品であった

ホラー映画で間違いはない
ただ私が想像していたそれよりも、やはり遥かに宗教的である

今回はミッドサマーと違い完全にカルトのそれである
初めからあの家族は王妃たる祖母によって自身が求めていた悪魔崇拝の為の依代とされており、ジョーンががそれを見事に『継承』したという事だろう
あの家族全員が被害者と私は考えるし、だからこそ祖母が後を託したジョーン初めあの集団はカルトと言い切ってしまって差し支えないと考えている
彼らは彼らの悪魔崇拝の為に必要なものだったが為にあの家族を犠牲にしたのである
後のミッドサマーもカルトと位置づけられがちのようではあったが、一緒にしてはいけないだろうと私は考えている

個人的には素直な内容だった為特に考察の余地も無いかとは思っているが、唯一アニーが過去にピーターとチャーリーと自分を焼こうとした行為は、あれは彼女の中の無意識の何かが後に彼らを待ち受ける悲劇に抗おうとした結果だったのか、それとも祖母の思惑だったのか、そこが少しだけ気になった

ラストシーン、生贄となった家族の亡骸が歪な偶像にひれ伏す様などは個人的に芸術としての完成度が高く、この監督の作品に強く惹かれるきっかけが出来たように思う
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