トムトム

洗骨のトムトムのレビュー・感想・評価

洗骨(2018年製作の映画)
4.5
お笑い芸人ガレッジセールのゴリが監督・脚本をつとめた作品ですが、正直ナメてました。
ナーメテーター案件です。
これ凄い才能じゃないですか。

吉本興業は近年映画製作に力を入れています。
ぶっちゃけ松本人志を北野武にするプロジェクトだったと思いますがそれが頓挫して色々な芸人に監督をさせる中、興行面で品川ヒロシが成功を収めたくらいであとはあまりパッっとしないイメージです。

しかしここで本物が現れたのではないでしょうか。

ストーリーとしては家族の死に際して崩壊した家族が再生するよくあるタイプの家族再生映画ではありますが逆にこの題材で面白い映画を撮れるのだからゴリ、いや照屋年之監督の力量が凄いのだと思います。

芸人監督にありがちなショートコントが連続しているようなリズムではなく本人の資質か沖縄の気風かはわかりませんがゆったりと堂々と撮られています。
暗くジメッとしがちな展開にコメディ要素を挟みとても見やすいです。

先程よくある題材と言いましたが粟国島の風葬にした死者を四年後に出して家族が骨を洗う洗骨という風習が今作に大きなオリジナリティを与えています。

登場人物の全てが魅力的に撮られていて大好きになります。
役者陣の魅力がマックスまで引き出されています。
見た方ならおそらく大島容子演じる叔母さんに惹かれたと思います。

吉本興業のみならず内村光良や太田光などのお笑い芸人監督の中でも頭一つ抜けた才能だと思います。

ちょっと分かりやすすぎる気もしますが素晴らしい作品だと思います。
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