Mariko

希望の灯りのMarikoのレビュー・感想・評価

希望の灯り(2018年製作の映画)
4.2
このあいだ観た『お名前はアドルフ?』とは
あらゆる面で対照的な映画だった。
特に、全編で語られる台詞の語数で言うと、
こちらが10分の1くらい(笑)ではないかと。

大型の会員制スーパーマーケットが舞台で
そこで働く人たちの日常を映し出す淡々とした運びの中、
その光景の切り取り方、独特の間合いと空気に物凄く惹き込まれた。

それぞれが抱える問題(おそらく、どれも重い)について
詳しくは描かれないのだけど
この、明るくも楽しそうでもない「職場」にいる人のあたたかさと
揺れ動く各々の心がものすごく小さな振れ幅の中で見せられ、
それに共鳴する周りの人の心が静かに伝わってくる。
終わり方がとてもとても好きだった...

それにしてもこの邦題もジャケットもひどい。
In den Gangen/In the Aisles が全てなのに...とはいえ
『通路にて』ではあんまり観ようっていう気にならなさそう、
っていうのもわかるけどね、、、

ちなみにヒロインは『トニ・エルドマン』の娘とおんなじ人。
私はドイツのキルステン・ダンスト(彼女もドイツ系だけど)
と呼んでいる(笑)
Mariko

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