にしやん

空母いぶきのにしやんのレビュー・感想・評価

空母いぶき(2019年製作の映画)
1.5
予備知識ゼロ。マンガが原作?
専守防衛をテーマにしてんねんな。そもそも専守防衛に空母は要るんかっちゅう話もあるしな。憲法の範囲内で許される自衛権の行使について問題提起してみようっちゅう意欲自体は認めるねんけど、あくまでもここまでやな。何でかって?それは映画の出来が残念過ぎるからや。
今合憲違憲で問題なってる空母とアメリカからの爆買いで話題のF35を兵器として組み入れた形で、憲法の定める専守防衛の制約の中で、外国からの侵略に対して自衛隊はどう守るんかっちゅうことなんやろけど、話のレベルとしては軍事オタクのシミュレーションゲームの域を全く越えてへんわ。戦闘ゲームの実況観さされてるんかと思たわ。
まずストーリーが荒唐無稽。まず東亜連邦ってなんやねん。アホとちゃうか。それでその東亜なんちゃらが、いきなり日本領内の離島を不法占領しましたで話が始まんねんけど「はー?何それ」やな。それで真夜中に閣僚緊急招集やと。地震と違て事前に分からんのかいな?日本の情報網はしょぼいかもしれんけど、普通は事前にアメリカさんが教えてくれはるんちゃうの。アメリカとかもそんなもんかいな。大したことあれへんな。
それから、CGが全然駄目。これがテレビゲーム感に拍車を掛けてるわ。最近観た映画の中でもこれが最低レベルかもしれへんな。「ハンターキラー」もそこそこ酷かったけど、これはそれを下回る酷さや。
もうひとつ大きいんは戦闘と関係あれへん、要らん要素入れ過ぎや。まずコンビニは全部カットやろ。記者二人かて何やねんこいつらやし、ネットニュース会社のとこも盛り過ぎやし、政府の中のゴタゴタしたとこも、もうちょっとスッキリでけへんかったんかいな。要らんもん入れ過ぎで肝心の戦闘の部分のテンポが無うなってもうとうし、流れかてズタズタやんか。いや、そうや無うて、その低レベルCGとて予算が厳しかったと見えて、戦闘以外の要らん要素を目一杯詰め込んで、戦闘シーンの尺を極力短くしようとしたんかな。そういう勘ぐりもしたなるわ。
艦内のシーンかてもうちょっと撮り方とかないの?皆んな並んで座ってんのと、顔のアップの繰り返しで全く工夫とか無いしな。正直飽きてくるわ。それに、どの艦内も殆ど観た目おんなじ、制服もおんなじで、途中からどの艦がどれやらさっぱり分からんようなってくるし。関西弁と帽子で何とか追いかけてたけどな。
ラストもほんまに陳腐や。「何なん、それ!」やで。それやったらもうちょっと早せいややし、いきなり抜き打ちでっちゅうんもあれへんって。こんな子供騙しみたいな話し無いで。アホくさやわ。
それで、最初の専守防衛に空母要りますか?の問いやけど、大した結論もあれへん。何のために映画作ってんねん。相手が持ってんのやったら持っとったほうがええんちゃいますか?くらいかいな。もう、ほんまどうでもええわ。
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