真田ピロシキ

飢えた侵略者の真田ピロシキのレビュー・感想・評価

飢えた侵略者(2017年製作の映画)
2.7
全力疾走ゾンビ集団と武装人間のレッツパーリー!という風な量産型ゾンビ映画とは全く違う。珍しいタイプのゾンビ映画なのは確か。ジャンルお約束のゴアゴア描写はあまりなく、生き残り達はゾンビの唸り声に神経を尖らせながら静かに進んでいく。撮影に拙さも感じないので金も技術もない三流ゾンビ映画の苦し紛れの策とも思えない。何らかの意図はあるのだろうが残念ながら自分の理解力では及ばなかった。

ゾンビが他の映画みたいに本能のままに動くのではなく、人間を見つけても距離を保っていれば襲ってこなかったり、襲う時でもステルスしながら近づいてバアとやったりと知性らしきものが感じられる。謎のオブジェを作って崇めていたりもしてて、その謎は分からないまま。邦題の侵略者という表現がしっくり来る存在。テリトリーを侵さない限りは(多分)襲わないが、そのテリトリーは次第に広まり人間は追い詰められていく。スリラー映画としてならなかなか緊張感の感じられる。ただ別にゾンビじゃなくてもという気持ちも。ボディスナッチャーみたいなエイリアンでも良くない?本作がゾンビ映画であることを思い出させるようにクライマックスではゴア演出が一気に炸裂するのだが、それまでの雰囲気とかけ離れていて違和感が強く、やはりよく分からないままで終わってしまった。