さくらんぼ

博士と狂人のさくらんぼのレビュー・感想・評価

博士と狂人(2018年製作の映画)
4.0
舞台は19世紀の英国。「オックスフォード英語大辞典」を作ることになった博士号を持っていない学者マレー(メル・ギブソン)。なかなか辞書作りが進まない中、協力者が現れた。それは殺人を犯して精神病院に収監中の博士マイナー(ショーン・ペン)だった。言葉を紡ぐことで正気を保っていたマイヤーと彼に信頼をおくマレーにはお互いを兄弟と呼ぶほどの絆が生まれる。

状態が安定したかに見えたマイナーだったが、自分が殺してしまった男性の妻と交流し、彼女から許されることでさらに過去の罪を自分自身が許せず壊れていく。

「舟を編む」のような辞書作りがメインの話かと思っていたけど、それよりもマイナーがどうなるのかばかりが気になった。
今ならPTSDと診断され治療法があったと思うけど、あの頃の間違った治療が辛すぎて見てみていられない。これが実話とは。

メル・ギブソンとショーン・ペンの共演。
2人が会って単語の解釈を言い合うシーンが好き。2人にしか分からない世界。
久しぶりに見たメル・ギブソンの人間味あふれる温かい演技も良かったけど、ショーン・ペンの演技には凄みを感じて圧倒された。この映画の中心は間違いなくショーン・ペンで、ただの狂人とは思えずどうにかならないかと彼に心を寄せながら観ていた。

ナタリー・ドーマーもよかった。
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