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華氏 451のMALPASOのレビュー・感想・評価

華氏 451(2018年製作の映画)
2.6
『華氏451』

アメリカ映画。
@東京フィルメックス

トリュフォー監督の「華氏451」(1966)のリメイク。

監督ラミン・バーラ二、脚本アミール・ナデリのイラン人コンビによるHBO作品。
二人はコロンビア大学の講師と教え子という関係。サブプライムローン問題を題材にした2014年傑作「ドリームホーム」を作ったコンビ。二人で企画をHBOに売り込んで実現したそうです。以前、ダラボン監督で制作が進行していたけど頓挫。
主演は、マイケル・B・ジョーダン、マイケル・シャノン。

どうしても、トリュフォーと比べてしますわけです。1966年という時代、フランスが舞台ということもあって、モダン・フューチャーな建物や家具などがオシャレな近未来な世界を作り上げていた。お話自体は実写化すると、リアリティのないSF小説だからこそ成り立つ世界。それでも高く評価されているには、世界観が素晴らしいから。

“本を全て無くす”という蛮行は、ポルポトがそうだし、歴史上もなかったわけじゃない。ネットによってどんどん書店がなくなって、本は消えつつある現代に合ったテーマとも言える。そういえば「図書館戦争」というクソみたいな映画もありますが。

真新しさもなく、大筋も知っているだけに物足りない感じ。アメリカを舞台に独特の世界観を出すには難しかったかも。いっそアジアか中東を舞台にすれば違ったかな?

原作はレイ・ブラッドベリいわく「テレビによる文化の崩壊」を描いているそうです。
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