かず

華氏 451のかずのネタバレレビュー・内容・結末

華氏 451(2018年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

焼火士の存在意義、活動が現代的にアップデートされている点が良かった。
本作では、ニュースの見出しだけを見て得た不完全な情報に基づいて起こったアメリカ内戦を背景とし、二度と過去の悲劇を繰り返さないように焼火士が活動している。

歴史の改竄、使える言語数と単語数の縮減、言葉の意味の矮小化、は、「1984」での真理省での仕事やニュースピーク等の言論統制のよう。

さらに、過去の名作の一部だけを名言などとして引用した文を読んでその名作を読んだ気になることに警鐘を鳴らしている。

マイケル・シャノンは、ニーチェやプラトン、エミール・シオランを引用し、アメリカの息子、ヘミングウェイとヘンリー・ミラーは、スピノザ、カフカは性的倒錯者、ヒトラー、マークトウェインの「ハックルベリーフィンの冒険」は黒人差別的、と罵るが、どこか著作への愛を感じる。

主人公モンターグが持ち帰るのは、ドストエフスキーの「地下室の手記」。
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